今回はいつもと趣旨を変え、デュエルマスターズの1枚のカードについて深堀して解説していく記事である。
その名も「メテオレイジ・リザード」。古くから七英雄と呼ばれ、デュエマプレイヤーから「最弱カード」と罵られ続けてきた彼の魅力について、書き記していきたいと思う。
メテオレイジリザードとは
「メテオレイジリザード」とはデュエルマスターズのクリーチャーの一体である。初登場はDM-17。デュエルマスターズ史上最弱のカードと言われており、一部では「七英雄(デュエルマスターズのカードの中で、特に弱いカード、レアリティの割に使えないカード達の事)」として他の弱小カードと共に(ネタとして)祀り上げられている。まずはそんな「メテオレイジリザード」のカードスペックを見てみよう。
メテオレイジリザード 6マナ 火文明 種族:メルトウォーリアー パワー5000 効果:無し
上記が「メテオレイジリザード」のスペックである。これを見れば少しでもデュエルマスターズに親しんだ事のあるプレイヤーは「最弱」と言われる所以が分かるだろう。
6コストと重いのにも関わらずパワーは僅か5000。更に効果なし。「これでどうやって戦えばいいんだ」という声が聞こえてきそうである。
この弱さを更に実感するためには、同じ七英雄である「暗黒の騎士ザガーン」と比較すると分かりやすいだろう。
暗黒の騎士ザガーン 6マナ 闇文明 種族;デーモン・コマンド パワー7000 効果:ダブルブレイカー
ザガーン様ですらパワーは7000あり、ダブルブレイカーを持っている。そもそもデュエマには「6マナ以上優位の法則」というものがあり、2マナのクリーチャーはパワー2000を標準として作られているのだが、6マナのカードはパワー7000、ダブルブレイカーが基準なのである。
これはあくまで「基準」なので、「基準」通りの性能しか持たないザガーン様が弱いカードである事は間違いない(普通はこれに効果がついたりするのである)。しかし最弱カード「メテオレイジリザード」はデュエマにおける最低限のスペックである「基準」と比べたとしても、パワーが2000低くダブルブレイカーが失われてしまっているのだ。
以上よりメテオレイジリザードは「最弱カード」と呼ばれるにふさわしいスペックだと言えるだろう。
メテオレイジリザード の活用法を考える
次にこの最弱カード「メテオレイジリザード」が如何に使いにくいカードなのかを解説しよう。
まず最初の使いにくい点は、コストが6と重い点だ。例えば同じ七英雄の「シザー・アイ」は4マナパワー3000。これでも悲惨なスペックなのだが、このカードはコストが軽い故に「バジュラズソウル」等のクロスギアで強化するコンセプトデッキが作りやすい(余談だが「シザーアイ」をクロスギアなどで強化するファンデッキの事を「シザー・愛」と呼ぶらしい。)。またバニラビートに合わせやすい水文明なのでむりやりバニラビートに突っ込む事も出来なくはない(ただしコスト4だと「マツリダワッショイ」のコスト軽減を適用しても2コストにしかならないので、お世辞にも強いとは言えない)。
しかし「メテオレイジリザード」の場合、火文明かつコストが6と重いのでバニラビートで使う事は難しい。「マツリダワッショイ」での軽減後のコストが「2」ならまだ我慢できなくもないが「4」ではあまりにも重すぎるだろう。
そして次に種族だが、「メルトウォーリアー」というサポートが殆どないマイナー種族な点も使いにくさに拍車をかけている。
一応進化クリーチャーに「巨大神ハウルスク」がいるが、あまり性能が高くない上に進化元は軽い方が良いのでコスト6の「メテオレイジリザード」を使う必要はないだろう。
バニラビートも種族デッキもダメ、「シザー・愛」のようにむりやり強化するのも難しい。これぞ「最弱カード」にふさわしい使いづらさだと言えるだろう。
メテオレイジリザード は何故人々を惹きつけるのか
やはり悪い方向とはいえ「他と異なる圧倒的スペック」というのは、人を惹きつける要素だろう。
特に日本には「判官贔屓」という言葉がある通り、形成の悪い方を応援したくなる大衆心理がある。デュエルマスターズでも「最弱」として名高い「メテオレイジリザード」は、まさに「判官贔屓」の対象として最も適したカードだと言えるだろう。
また、「初期に登場した」という事も魅力の一つだろう。初期のデュエルマスターズはエピソード1以降のデュエルマスターズとは大きく雰囲気が異なり、その世界観のファンは多い。「メテオレイジリザード」もその例外ではなく、イラストや世界観、フレーバーテキストはかなりのかっこよさを誇る。かくいう私も昔のカードを集めるのは好きである。
個人的に「メテオレイジリザード」が好きになったきっかけもそのフレーバーテキストのかっこよさと、カードゲーム的にあんまりな弱さのギャップに惹かれたからである。
終わりに
今回の「メテオレイジリザード」についての考察は、如何だっただろうか。
初期のデュエルマスターズには他にも、世界観やフレーバーテキスト、イラストが魅力的なクリーチャーが数多く存在する。今後機会があればそういったカード達の紹介などもしていきたいと思う。
また、「メテオレイジリザード」をなんとか使うデッキも今後考察していきたいと思う。そのデッキはまだ細かい調整等が終わっていないため、終わり次第ブログにアップしていきたい。
最後に「メテオレイジリザード」のフレーバーテキストを紹介し、この記事を締めたいと思う。
燃えさかる業火ですら、その闘争本能の激しさには及ばない。
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